特定非営利活動法人 LG Net 理事長就任にあたって
このたびは、当法人ホームページをご覧いただきありがとうございます。
ご案内の特定非営利活動法人ローカルガバメント・ネットワークの代表理事として、またひとりの地方公務員として、ひとことご挨拶申し上げます。
私は現在、北海道赤平市という小さなマチで地方自治体の職員として働いております。初代理事長堀博晴氏(元東京都管理職)との平成17年の出会いが、私にとっての人生の転換点となりました。堀氏の仕事の進め方や考え方を学び、そのエネルギーの強さに心を熱くしたひとりです。
この瞬間から私の公務員人生は様変わりし、今では多くの困難事例を解決できようになりました。
平成23年には市町村アデミーで教鞭を執られてきた川井幸生氏(横浜市管理職)が副理事長に加わり、ふたりの恩師から今日でいうところの徴税業務におけるEBPM(Evidence-Based Policy Makingの略称です。)の基礎を学びます。全国で散見される諸問題において、個々の体験や解決メソッドは情報交換の場(メーリングリスト)によって共有化・平準化され、いつしか公務員の小さな勉強会は県境を超えた集合体となり、この中でスキルアップを重ねて果敢にチャレンジした者はまた、新たな伝道者として歩みはじめています。
日本はいま人口減少の時代を迎え、地方自治体でも人材不足が深刻化しています。他方で、EBPMによる政策立案やデジタル化、AI技術を使った事務改善など変化が求められる時代にあります。われわれ地方自治体の職員はこの潮流の中で、地域住民の生活の質の向上につながる政策を現場レベルで考え、創造し、問題を突破できる力が求められています。これに応えられるように地方公務員がより活躍できる環境づくりと、個々人のスキル向上の推進力となり得たい、その結果として自治体の人材不足を補える一助となりたい・・・これが願いであります。
私たちNPO法人は、その礎となるべく、都道府県・市町村の自治体間連携の深まりとともに地域の魅力を最大限に引き出せるような場の提供として、LG Net研修会を毎年開催しています。この事例研究が気づきの場となり、ひとつのターニングポイントに成り得ればと考えております。
私たちが目指すのは、単に研修会の企画や人材育成・社会活動に留まりません。私たちは「新しい公共」を設立趣意書に掲げております。この言葉には地域に暮らす人々の豊かな生活を実現するという思いを込めています。そのためには、地方自治体に従事する人材が”先ずは隗より始めよ”の精神で行動を起こし、地域の魅力を最大限に引き出し、最終的には住民の豊かな生活を実現するために取り組んでいくべきと考えております。
皆様のご支援とご協力をお願いし、当法人の諸事業へのご参加をお待ち申し上げます。
令和5年5月31日
特定非営利活動法人 ローカルガバメント・ネットワーク
理事長 山 森 拓
特定非営利活動法人 LG Net 理事長退任のあいさつ
私ごとではございますが、令和4年7月16日に開催されました当法人定期総会におきまして、代表理事を退任させていただきました。平成23年の法人設立以来、11年の長きに渡り代表理事の大任を果たすことができましたのも、ひとえに法人の趣旨にご賛同くださいました自治体・関係機関・有志の皆様、法人理事・会員諸氏のご尽力あってのことと改めて御礼申し上げます。
当法人を設立することとなったいきさつは「メーリングリストLG Net」の存在を抜きには語れません。このグループの存在が現在のLG Net研修会を生み、当法人を誕生させました。全ては仲間達の声と意思の結晶だと思っています。
この11年の間に情勢は大きく変わり、それとともに徴収環境も変貌しました。環境は変わりましたが、本質的な変化はないと私は思っています。技術もさることながら、職員としての仕事にあたるハートに尽きると思うのです。言葉を換えれば、この「ハートの栄養剤たれ」が当法人の存在意義そのものだという自負が今でも胸にあります。
様々な情勢の変化があったとしても、徴収の仕事、公務員の仕事がなくなることはありません。情勢の変化に応じた技術、立ち塞がった事例に対して全国の仲間達の協力を得て解決できたという事例、技術や知識が乏しくとも「強い思い」でこれを克服した体験。これらの経験や体験を積み、現場の「知りたい」に応えることができる講師がこの法人にはいます。当法人の直営事業ではありませんが、日常からこの講師とつながることができるメーリングリストもあります。いずれも長年の蓄積の中で培われた資産です。どうか今後とも当法人のかけがえのない資産を、志ある公務員の皆様に末永くご活用いただきたいと切に願っております。
私自身、法人の理事職は退任いたしますが、法人の会員としては今少し活動をさせていただきたいと思っています。いかなる組織でも新陳代謝は必要なのです。法人としても脳細胞の若返りが必要です。新たに理事長を担っていただく山森さんをはじめとする理事の皆さんに法人を託します。
一方で私自身の気持ち、ハートの衰えは残念ながら、まだありません。今後とも求められれば可能な限り自身の経験をお話させていただきますので、ご要望がありましたら当法人にご用命ください。
まずは一区切り、これまでの御礼とさせていただきます。ありがとうございました。
全国の徴税吏員の皆さん、仕事しましょうね!
令和4年7月
特定非営利活動法人 ローカルガバメント・ネットワーク
前理事長(顧問) 堀 博 晴